Unityのライティングの学習 Part3

Unityのライティングの学習 (Part1, Part2)で、GIを設定するための基礎知識を学び、また自分で試行錯誤するためのサンプルプロジェクトを作成しました。今回は、このサンプルプロジェクトに実際に各種設定を行い、GIを体験しましょう。

まずは、Part1で学んだ以下を再確認しましょう。

  • GIは、反射光を考慮します。
  • GIは、初期設定で有効です。
  • GIは、静的オブジェクトが対象なので、チェックが必須。
  • GIは、焼き作業が重いので、Resolutionパラメータを要調整。
  • Lithtオブジェクトは、とりあえずmixedに

手順としては、動かないプリミティブをすべて静的オブジェクトにします。次に、Resolutionパラメータを小さくしておきます。最後にLightをmixedにします。

1.プリミティブオブジェクトを静的オブジェクトにします。

プリミティブオブジェクトを選択して、右上の[Static]にチェックを入れるだけです。

 

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複数選択して、Staticにチェックを入れている例

2. Resolutionパラメータを小さくします。

メニュー->Window->Lighting(下から6番目ぐらい)を選択して、Lightingタブを表示して、Precomputed Realtime GIとBaked GIのResolutionを0.5~1ぐらいにします。

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初期設定では、[Auto]チェックボックスにチェックが入っているので、自動で焼き処理が開始されます。遅い場合は、[Auto]のチェックを外してキャンセルしてしまいましょう。そしてResolutionを調整し、[Build]するか、[Auto]のチェックを付けましょう。

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3.LightのBakingをmixedにします。

2をやった時点ですでにGIはできています。そのためこのBaked GIにかかわるこの設定はどういう意味か私自身もう一度調べる必要があります。いずれにせよ、一度mixedにしてみましょう。ポイントライトとDirectional Lightの両方に以下設定をしました。

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4.Lightingタブ

現在のLightingタブです。

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結果

赤い箱に近い地面の色は赤くなって、青い箱の近くの地面の色は青くなっています。

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GIができた!
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立方体が微妙な色になっている。

ただ、解像度が低い設定影響か分かりませんが、立方体の黒い影が微妙な色合いでした。とはいえ、今後設定項目を調べていけばよい話なので今回はこれで良しとしましょう。

このプロジェクトの配布

Unity5.4

https://hajimete-program.com/games/SandboxLighting02.zip

まとめ

3回にわたりGI(Global Illumination、グローバル・イルミネーション)の基礎から実際に試行錯誤できるプロジェクトを作成しました。今後は、公式マニュアルとGoogle検索を活用して、設定項目の意味を調べていきましょう。

Unityのライティングの学習 Part2

今回は、GIを適用する前のポイントライトを1つ、キューブをいくつか並べた単純なプロジェクトを作成します。

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FPSコントローラーでFPS視点で動かせるようにします。

プロジェクトの新規作成

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スタンダード・アセットのCharactersをインポート

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PlaneをScale(100,1,100)で作成。

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FPSControllerがカメラを持つので、Main Cameraを無効化

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Standard Assets/Characters/FirstPersonCharacter/Prefabs/FpsControllerをシーンにドロップ。適当に初期Y座標を設定。

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壁の作成

Create Emptyで、’Walls’を作って、その中に6面をCubeで作成します。隙間が空いていなければよいので大きさ、位置は適当でよいです。

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プリミティブの作成

特に細かいルールはありません。

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Materialを作成して割り当て

https://docs.unity3d.com/jp/current/Manual/StandardShaderMaterialCharts.html

Unityは、物理ベースシェーディング(Physical Based Shading,PBS)です。物理ベースレンダリングと呼ぶ場合が多いようです。これは色を付けるときに、金属か非金属(布、プラスチックなど)を考慮します。

そのため、Materialは非金属の場合、sRGBの範囲は50-243です。0-255ではありません。金属の場合は、186-255になります。上記チャートのsRGB RANGEという部分に記述されています。

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スフィアにSilverを割り当て、キューブにRed,Blue,Greenを割り当て、他はWhiteマテリアルを割り当てました。

Silverの作成方法

公式マニュアルのチャートにSILVERが用意されているので、Albedoスポイトでシルバーを指定しましょう。

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Red,Green,Blue,Whiteは、Materialは非金属で、sRGBの範囲は50-243で作成します。Redの場合、RGBAは(243,50,50,255)になります。

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非金属のsRGBの範囲は50-243

ポイントライトの作成と調整

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またDirectional Lightの位置は以下にしました。この値に特に理由はありません。

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最後にグループ化したWallsをY,Z軸を5にしました。これも特に理由はありません。

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最終的にできたもの

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このプロジェクトの配布

Unity5.4

https://hajimete-program.com/games/SandboxLighting01.zip